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岩田リョウコ&清水みさとの テントサウナで逢いましょう vol.05 地域おこし協力隊 宮原さん

サウナ大好き作家・岩田リョウコさんと、サウナ大好き女優・清水みさとさんによる、MORZHオーナーズインタビュー企画『テントサウナで逢いましょう』。全国津々浦々でテントサウナ「MORZH」を愛好するオーナーさんを訪ねてお話を伺います。一期一会のサウナ旅。第5回目は、長野県上松町で地域おこし協力隊に従事しながら、地域にテントサウナの魅力を広めている宮原さんを訪ねます。(SaunaCamp.)

地域おこし協力隊 × テントサウナ

ご無沙汰しております。前回は約1年も前!サウキャンさん、2023年は全国津々浦々、たくさんのMORZHオーナーさんたちに逢いに行きましょうね!

そして、テントサウナのすべてがわかる本』の出版おめでとうございます。この連載でもお邪魔しましたみなさんも登場していて、勝手に「みんなの本だ〜」って思っています。

約1年ぶりのテントサウナ訪問は、長野県木曽郡上松町。木曽ヒノキの天然木がたくさんある森の聖地のような地域です。しかも上松は「森林浴発祥の地」で、「第一期森林セラピー基地の認定を受けている地」なんですって。外気浴は、上松町のためにあるのかもしれない。

この大自然を活かしたテントサウナを地域おこしとしてはじめたのが、今回逢いに行った宮原未来さんです。宮原さんは上松町から車で1時間ほどに位置する塩尻市の出身で、ご実家は木工の仕事をされています。

就職で東京へ出て、編集者・ライターとして働いてらっしゃいましたが、2020年長野県に戻ってきて、今に至ります。わたしが一番よく仕事をするのは編集者のみなさんなので、編集者という仕事が「編集」だけではまったく終わらないどれだけハードなものか、そばで見ていて知っています。

そのハードさから「編集者はサウナ好き」という方程式までできあがっているような気がしています。サウナが心と体の疲労を癒してくれるからです。そんなわけで、宮原さんも激務の中でやっぱりサウナに救われていたそうです。

(宮原さん)
「できることを増やしてみたいと東京を引き上げて、木工の学校へ通いました。木工は一通りできるようになったけど、それだけでは力になりきれないから、地域おこし協力隊木工部に入りました」

上松の地域おこし協力隊木工部は、「木工で町を元気にしてね」というスタイル。隊員たちが自分で提案してイベントをしたり、小中学校で木育に関わる授業をしたり、ふるさと納税返礼品のための木工品を製作したりと地域のためになる活動をしています。

(リョウコ)
「木工と地域おこしから、どうやってサウナにつながったんですか?」

(宮原さん)
「ある日、先輩とこの町のためになにをしていきたいかと話していた時に、好きなこととか趣味はある?と聞かれました。サウナですと答えて魅力を話したんですが『木工の話をしている時より断然目が輝いてるよ』と言われて。それならここでテントサウナやれば?とアドバイスをもらって、先輩と町に『テントサウナがあるとこんないいことがある!』という資料を作って、MORZHとSavotta(フィンランド製テントサウナ)を地域おこし協力隊の予算で購入させてもらったのがきっかけです」

サウナを町に広めるには、まずは周りにサウナ好きを増やすことから。ということで、宮原さんはまずは役場のみなさんや地域おこし協力隊のみなさんへサウナの布教を開始します。1年目はとにかく、テントサウナを購入すること。そして役場のみなさんにサウナを知ってもらい、好きになってもらうことに集中したそうです。

その甲斐あって、2年目はイベントを開催して町の人たちに入ってもらう活動に。

(みさと)
「町の人たちはすぐ来てくれました?」

(宮原さん)
「わたしが女性ということもあるのか、町のおばちゃんたちが結構来てくれて女性サウナーが増えました!女性議員さんも初回のイベントに来てくれて以来サウナにハマってくれました」

最初に自分の周りの役場の方々の心をしっかりと掴んだ宮原さん、えらい!町がみんなで「サウナはいいものだよ」と推してくれたら、そりゃ町の人だって安心してトライできますもんね。宮原さんのミッションは、この自然を守るためには?と考えて「木育」のためにサウナで町の人たちに新しい視線で自然を感じてもらうこと

豪雪テントサウナ!

さて、地域おこし+宮原さんの「好き」からはじまった上松の自然の中のサウナ、行ってみましょう……と思ったら今年最初の雪。しかも結構な雪!

絶景ですけど、これは北海道くったり湖に匹敵する寒さ!これが本日の水風呂です。

そしてテントサウナはここに。

テントサウナから川までの走るルートの足場を真剣チェック中。

地域の魅力をサウナと融合

テントサウナを設置した場所は工場横。なにをつくっているのか伺ってみるとこれもまた上松を支えるものづくりでした。

ここでは天然のひのきの精油をつくっています。この機械でひのきのおがくずを蒸気蒸留して純度100%の精油ができあがります。いい香り〜!

そして恒例のテントサウナ内のカスタマイズチェック!

木工部のサウナですから、もちろん椅子は手作り。しかもやっぱり普通の手作りの椅子じゃない、デザイン+強度も考慮されているかっこいい椅子!

テントやストーブなどを収納するコンテナになっていて、設営後はベンチとして使えるという優れモノ。「これ、テントサウナ用に販売したほうがいいんじゃないですか?」と言ったら、あまりにこだわりすぎて売るとなると凄まじい金額になっちゃうんです(笑)とおっしゃってました。

さて、車で着替えてテントサウナに向かいます。めちゃくちゃ寒い!

極寒の外気から熱々のテントサウナへ。熱、ありがたい!温まると人間穏やかになりますね、すっかり和気あいあいです。

ひのき精油を蒸留した際につかったお水でロウリュします。水にひのきのエッセンスが最初から染み込んだ最高級のロウリュ水です!今まで味わったことのないアロマの密度。これはすごい!

十分温まったら、順番に外へ。先陣はサウキャン大西さん。

宮原さんに続いて、ひとりだけ時代錯誤のサウナハットをかぶる新婚・清水みさと。

そして全員外へ!

水に入らずとも、外気浴だけで十分な天候。でもどんなに寒くても、どんなに冷たい水であっても、「絵」のためには、そこにある水には必ず入るというプロが2人ここにはいます。テレ東の「地球風呂」のキャスト大西洋氏と清水みさと氏。頼もしいっ!

雪の中を川へと走ります。

入ります。そりゃ顔、そうなる。

しっかり全身、いってくれます。さすがリーダー。

硬直!

次、みさとちゃん。

絶対痛いくらいなのに、ニコニコ。さすが、サウナミューズ!

わたしですか?せっかくの雪なので、雪ダイブさせていただきますっ!

あまりの冷たさに、踊るようにどこかへ逃げて走っています。

宮原さんは、地元の人なのでおだやかにこの自然を愛でてらっしゃいます。

次、2セット目。1セット目で寒さに対するリミッターが外れて余裕になってきました。かっこいい〜!

外気浴というより、もはや裸の雪遊び。

不思議なもので、凍るほど冷たかった体が急にポカポカしてきて楽しくなってきています。サウナが認知される前なら、この写真を見て「雪の日の極寒の川で、水着でニコニコしている人たち」どう思われますでしょう?完全に狂ってますよね。

この日、ものすごい雪と寒さだったので、宮原さんがすごく心配してくれていたんですが、心配どころかとっても楽しかった!雪ってなぜか大人をワクワクさせてくれますよね。そして極寒の川に入ったり、雪にダイブできるくらいわたしたちを熱々に仕上げてくれるMORZH、やっぱりすごいです

そんな状況下で生まれたのがこの青春写真。

タンタンタララタッタンタランタ〜。あれ、ドラマ「フレンズ」の主題歌流れてません?フレンズじゃん!

木曽の自然、十分すぎるくらい味わえました。宮原さん、地域おこし協力隊のみなさん、どうもありがとうございました!

右は町おこし協力隊の同僚、徳永さん

宮原さんに、3年目の目標を聞いてみると、森林浴の発祥の地「赤沢自然休養林」でテントサウナをすること!国有林なので、許可をとるのもむずかしいとは思いますが、実現に向けて宮原さん、現在奮闘中だそうです。実現したら全員で行きますね。

AGEMATSU SAUNA CLUB

宮原さんが主催するサウナプロジェクト。上松町でテントサウナ体験会を開催して魅力を伝えるほか、サウナにまつわる人をゲストで招いてトークイベントを行うなど精力的に活動している。上松町は、森林浴発祥の町。サウナを通じて地域の魅力を再発見してもらえる、交流が生まれると、地域の方にも支持者が増えている。
https://sauna.awlm.jp/

Profile

【岩田リョウコ】

兵庫県生まれ名古屋育ち。コロラド大学大学院で日本語教育学を学び2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中の2015年にアメリカで出版した『COFFEE GIVES ME SUPER POWERS 』は、Amazonランキング全米1位のベストセラーに。世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ好きが高じてフィンランド政府観局フィンランドサウナアンバサダーに任命される。著書に『週末フィンランド ちょっと疲れたら一番近いヨーロッパへ』(大和書房)、『HAVE A GOOD SAUNA! 休日ふらりとサウナ旅』(いろは出版)、『エンジョイ! クラフトビール 人生最高の一杯を求めて』(KADOKAWA)、『コーヒーがないといきていけない! 毎日がちょっとだけ変わる楽しみ方』(大和書房)がある。

【清水みさと】

女優。オーストラ・マコンドー所属劇団員。舞台、映画、ラジオなどで幅広く活躍する一方、1日に何度もサウナへ通う「サウナ大好き女優」としても知られる。規格外のサウナ偏愛ぶりは業界でも話題となり、TBS『世界ふしぎ発見!フィンランド、エストニア編』ではミステリーハンターに抜擢される。マイナス20度環境でも躊躇なく雪原に飛び込み、サウナショップでストーブを愛で回すマニアぶりは、SNSを中心に大きな話題となる。冠番組であるラジオ『サウナいこ?』(JFN12局)は、2021年6月現在で放送300回を突破。『サウナイキタイ』のポスターでモデルを務め、『マグ万平の のちほどサウナで』準レギュラーとして頻繁に登場することから、愛好家からは「サウナ界のミューズ」と慕われている。長野ロケの翌日に電撃結婚発表した新婚さん。「何も知らなかったので本当にびっくりしました」(SaunaCamp.大西談)

文章:岩田リョウコ
モデル:清水みさと
写真:添田康平
編集:SaunaCamp.