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岩田リョウコ&清水みさとの テントサウナで逢いましょう vol.03 ジローさん

サウナ大好き作家・岩田リョウコさんと、サウナ大好き女優・清水みさとさんによる、MORZHオーナーズインタビュー企画『テントサウナで逢いましょう』。全国津々浦々でテントサウナ「MORZH」を愛好するオーナーさんを訪ねてお話を伺います。一期一会のサウナ旅。第三回目は、神奈川県・道志川が舞台です(Sauna Camp.一同より)

初の個人ユーザーさん登場

サウナが大好きなみなさん、こんにちは。岩田リョウコです。これまではお客さんを受け入れるビジネスとしてテントサウナを運営しているみなさんを取材してきましたが、今回は初の個人ユーザーの登場です。しかも「アウトドアとはまったく無縁だったのに、テントサウナにハマってアウトドア大好きになっちゃった」MORZHオーナーさんです。

サウキャンのお二人から「次の取材は個人ユーザーさんです。でもご本人、顔出しNGです!」という連絡。初回(タザワコサウナ七時雨山荘)からいきなり東北へ送り込んでくるだけあって、今回ももちろん、ちょっとひねった感じ。普通じゃつまらないものね、こうでなくっちゃね、わたしたちの取材は。

今回はいつもの相棒・清水みさとちゃんとカメラマン添田康平さんに加え、我らがボス・大西さんも予定が合って参加してくれました。

個人ユーザーということで、テントサウナの醍醐味である自分が選んだ場所でサウナができるわけです。ロケーションは山梨県にある大渡キャンプ場に決定。道志川が水風呂です。

そして今回、わたしたちに個人ユーザーとしてテントサウナの楽しみ方を教えてくれるのは顔出しNGのMORZHオーナー、ジローさんです。

頭部は濡れ頭巾ちゃんスタイル、体部はバッキバキ。よろしくおねがいします。

まずはテントサウナを組み立てるところから。これまでわたしとみさとちゃんは、すでに設置してあるコンディションばっちりのテントサウナに入れてもらって、ととのいちらかして帰るというプリンセスなテントサウナ経験しかしていません。当たり前のことですが、個人オーナーの場合はテントの設営、薪を焚べる、温度の調節をする、そして入る、入りながらも温度調節、最後は片付け、とやることがいっぱい!それも含めて全部楽しいアクティビティなのです。

顔がやや見えそうで見えないジローさんに教えてもらいながら、骨組みをテントサウナに通していきます。

テントが建ったら、テントを固定するペグを打ちます。ピンと張らないと、風で揺れてストーブにテントが当たって溶けてしまうので、ここはしっかり……と大西さんにレクチャーを受けます。

こちらがジローさんのテントサウナ内のセッティング。サウナストーンは2種類のっています。そして、地面には裸足になってもいいように敷物と足が冷えないように台が置いてあります。回数を重ねていくうちにあったらいいもの、足りないものに気づいて自分で追加していけるのもテントサウナが究極の自分サウナである所以ですね。

外のテーブルや椅子もセッティングして、準備完了!さっそくジローさんにMORZHでテントサウナを始めたきっかけなど聞いていきます。

リョウコ「まず、サウナを好きになったキッカケは?」

ジローさん「昔から好きだったんですけど、保育園のお父さん友達と『サ道』知ってます?とか『ロウリュ』という話になって。そこからサウナ、水風呂、休憩をちゃんとするようにして気持ちよさがわかりました」

みさと「それで、もともとアウトドアも好きでテントサウナを、ということに?」

ジローさん「いや、まったく好きじゃないです。ZERO!(笑)

全員「えーーーー!!!」

ジローさん「むしろ……嫌い!」

リョウコ「いやぁ〜、出ましたね。反動系。どうしてこうなったかですよ。聞き応えある!」

ジローさん「アウトドアは好きではなかったですけど、サウキャンさんのWEBサイトでテントサウナは結構早い段階で見ていて、いいなって思っていました」

みさと「サウナが好きすぎて、いつでも自分のタイミングで入りたいと思ったからですか?」

ジローさん「それです!テント設営とかやりたくなかったです(笑)。でもとにかく熱いサウナが好きで、MORZHがどれだけ熱くできるかを以前に入って知っていたので、熱いサウナがほしくて買いました

リョウコ「自分でカスタマイズしてどれだけでも熱くできるから!」

みさと「熱さを欲する気持ちが嫌いなアウトドアに勝ったんですね!

ジローさん「そうですね。あとは年齢もありますね。自然がいいなって思う歳になりました」

リョウコ「わたしたちもまったくアウトドア派じゃないので、基本的なアウトドアの知識もないんです。ジローさんも同じだったと思うんですが、ゼロからどうやって始めたんですか?」

ジローさん「最初はTwitterで繋がったテントサウナ好きの人たちに一緒に来てもらって、少しずつ教えてもらいました。回数を重ねて必要なものに気づくようになって増やしていきました。MORZHって意外とむずかしくなくて、火さえ入れられたらなんとかなるんですよ

みさと「アウトドアできないわたしたちのような人でもできますか?」

ジローさん「それは間違いないですね。サウナが好きなら面倒臭さもなくなります!」

リョウコ「アウトドアZEROだったジローさんにとって、テントサウナの魅力ってなんですか?」

ジローさん「知らない人が誰も入ってこないので、ストレスがまったくないですね。好きな人たちと一緒に行くから、すごく楽しい。帰ってきたら2、3日ぼーっとしちゃって現実世界に戻れない感じになります

みさと「あと、食事ってどうしてますか?おでんとか見えてますけど!(笑)」

ジローさん「保育園のお父さんたちとおでんのカロリーが低いことに気づきました!あとは寒くなってくると汁物ほしいじゃないですか。調理もいらないし、すごくいいです」

リョウコ「え、ストーブの上でおでんを温めるんですか?」

ジローさん「最初はそうしていたんですが、中がおでんの出汁のにおいですごくなるので、今はコンロで温めている間にサウナに入っています」

みさと「じゃあ、おでん準備してサウナ入りましょう!」

というわけで、おでんを待っている間にサウナに入ります。ジローさんのアロマ、たくさんあります。お父さん友だちからのプレゼントだそうです。選ぶのが楽しい!

熱いのが大好きなジローさんに温度コントロールはおまかせ。結構攻めてきます。わたしたちもアツアツが大好きなので、じゃんじゃんやっちゃってください状態です。110度くらい行きました。

歩いて1秒の川に入ります。水温はシングルだったと思いますが、ジローさんのアツアツサウナのおかげでしっかり流されながら入れました。

顔を撮さないので、結局この肉体美がフィーチャーされます(笑)

そしておまちかねのおでん!

ずっと夢だったテントサウナの中での食事、ジローさんが叶えてくれました。何をしても誰にも怒られない、好きなことを好きなようにして楽しめる。テントサウナの中は自分の国みたい!

大西さんもニッコニコです。ジローさんの食爆弾、まだ続きます。次は餃子!

冬に水着で、ホットサンドメーカーで焼いた餃子を、石の上に座って食べる。大人になって自由になんでもやっていい日がくるなんて。震えるほど楽しかったです。

最後はみたらし団子をぶち込んだトースト!あのバキバキの体の人がやることとは思えない!

コーヒーも!「インスタントですけど」ってジローさんおっしゃってましたが、サウナ入って自然の中で淹れて飲むコーヒーって最高です。

コーヒーの本を出したりしているので、「今まで飲んだコーヒーで1番おいしかったのは?」とよく聞かれますが、高価なシングルオリジンの豆やむずかしい器具で淹れたコーヒーではなくて、やっぱりコーヒーのおいしさはどんな環境で飲むかによるんです。だから、みんなでここで飲んだコーヒーはものすごくおいしかったです。

キャンプやテントサウナはストイックなイメージがありますが、ツラいや面倒臭いでは続きません。ジローさんは「ほどよく手を抜いて、楽しく簡単に」を最初からやっているからアウトドアが嫌いという殻を破って、これだけ楽しんでいるんだなと思いました。「テントサウナのおかげで自然が好きになりました」と話してくれました。

アウトドアに無縁だったジローさんですが、わたしたちを完璧にもてなしてくれました。それはサウナを温めるとか、おいしい食べ物もそうですが、自分のテントサウナのを持つ意味と楽しみを教えてくれるおもてなしでした。

好き人たちだけでサウナに入って、好きなものを好きなように食べる。笑って汗をかいて川に飛び込んでととのう。自然の中でそれをできる喜びを思いっきり体感できて、今回はじめて「だからみんなこれをやってるんだ!」ってやっとわかりましたね。

最後に大西さんがボソッと「僕、あんなにキャンプ好きだったのに、テントサウナ始めてから一回もキャンプしてない」って言っていたのを、わたし聞き逃しませんでしたよ。それもわかります。だってテントサウナ、最高なんだもん。

Profile

【岩田リョウコ】

兵庫県生まれ名古屋育ち。コロラド大学大学院で日本語教育学を学び2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中の2015年にアメリカで出版した『COFFEE GIVES ME SUPER POWERS 』は、Amazonランキング全米1位のベストセラーに。世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ好きが高じてフィンランド政府観局フィンランドサウナアンバサダーに任命される。著書に『週末フィンランド ちょっと疲れたら一番近いヨーロッパへ』(大和書房)、『HAVE A GOOD SAUNA! 休日ふらりとサウナ旅』(いろは出版)、『エンジョイ! クラフトビール 人生最高の一杯を求めて』(KADOKAWA)、『コーヒーがないといきていけない! 毎日がちょっとだけ変わる楽しみ方』(大和書房)がある。

【清水みさと】

女優。オーストラ・マコンドー所属劇団員。舞台、映画、ラジオなどで幅広く活躍する一方、1日に何度もサウナへ通う「サウナ大好き女優」としても知られる。規格外のサウナ偏愛ぶりは業界でも話題となり、TBS『世界ふしぎ発見!フィンランド、エストニア編』ではミステリーハンターに抜擢される。マイナス20度環境でも躊躇なく雪原に飛び込み、サウナショップでストーブを愛で回すマニアぶりは、SNSを中心に大きな話題となる。冠番組であるラジオ『サウナいこ?』(JFN12局)は、2021年6月現在で放送300回を突破。『サウナイキタイ』のポスターでモデルを務め、『マグ万平の のちほどサウナで』準レギュラーとして頻繁に登場することから、愛好家からは「サウナ界のミューズ」と慕われている。

文章:岩田リョウコ
モデル:清水みさと
写真:添田康平
編集:Sauna Camp.


岩田リョウコ&清水みさとの『テントサウナで逢いましょう』

vol.01 タザワコサウナ
https://saunacamp.net/magazine/tentsauna_trip_01/

vol.02 七時雨山荘
https://saunacamp.net/magazine/tentsauna_trip_02/