サウナ大好き作家・岩田リョウコさんと、サウナ大好き女優・清水みさとさんによる、MORZHオーナーズインタビュー企画『テントサウナで逢いましょう』。全国津々浦々でテントサウナ「MORZH」を愛好するオーナーさんを訪ねてお話を伺います。一期一会のサウナ旅。第二回目は、岩手県・七時雨山荘へ出発!みちのくサウナ旅、どうぞご覧ください(Sauna Camp.一同より)
七時雨山荘
SaunaCamp. x モルジュのテントサウナオーナーを訪ねる旅。前回の秋田タザワコサウナに引き続き東北攻めで行きます。今回は岩手県の七時雨山荘です。
今回も事前の情報収集をということで、おなじみ清水みさと嬢に「わたし、今度七時雨って言うところ行くんだけど……」と伝えます。
「え!わたしも行きたいです!七時雨ってすごいんですよが日本一星が見えるサウナらしいです。名前も天気が1日で7回変わるっていう意味で七時雨って言うみたいですよ。わたし、ずっと行きたかったんです」
みさとちゃん情報、いい感じです。ということで今回もみさとちゃんとカメラマンそえちゃんの3人旅。目指すは岩手県七時雨山荘です。たぶんこの先もこの3人がレギュラーメンバーな気がしてきています。
東京から東北新幹線で盛岡へ。盛岡から車で1時間ほど北上した八幡平というところに通称「星降る山荘」の七時雨山荘はあります。七時雨山荘は周囲が山に囲まれ半径7キロに空を照らす光を出す建物がまったくないので、漆黒の空が広がり星が綺麗に見えるんだそう。七時雨山荘では天井に透明の窓がついている「モルジュスカイ」を使っているので、満点の星空を眺めながらサウナに入れるというわけです。これはカメラマンそえちゃんのすっごい写真が期待できます。
ここ七時雨山荘のオーナーは立花龍太さん。このおっきな土地で育ったそうです。育ったって言っても、学校とか全然道中で見かけなかったけど……。
リョウコ「立花さん、学校ってどうやって行ってたんですか?」
立花さん「あ、車っすよ!車で30分かかるんです。徒歩だと5時間くらいはかかると思います。笑」
リョウコ「子供の時、ここで何して遊んでたんですか?」
立花さん「ゴルフしてました!」
規模感!無限打ちっぱなしですね。こんな大自然の中で育った立花さんですが、七時雨に戻ってきたのは実は3年前。それまでは東京でエンジニアをされていました。七時雨山荘は立花さんのおじいさまが1965年に創業。山荘の後ろにそびえ立つ七時雨山に登山する人の宿泊施設なんです。二代目のお父さまが引退されて、立花さんが継ぐことに。
リョウコ「ここを継ぐことになった時にサウナ作るぞと思ってらっしゃったんですか?」
立花さん「そうですね。もともと交互浴やサウナが好きだったこともあって、戻ってきたタイミングでお風呂のリノベーションと一緒に館内のサウナをと考えたんです。でも宮城県のMARUMORI-SAUNAへ行った時に館内じゃなくて外にサウナっていうのもありだなと思ったんです」
リョウコ「MARUMORI-SAUNAみたいにサウナ小屋を外に建てようと?」
立花さん「建てようと思いました!でもまずは小さく始めてみようと思って、そんな時にSaunaCamp.さんを紹介してもらって、テントサウナに行き着きました。それでイベントやってみて、これならみなさんに楽しんでいただけるなと実感できたので、テントサウナを始めたんです」
みさと「テントサウナどうですか?」
立花さん「モルジュは断熱すごくあるので、普通のサウナが好きな方でも満足していただけるのはいいですし、出てすぐにこの大自然を満喫していただけるのはいいことですね」
リョウコ「ここはすごく天候が変わるじゃないですか、薪の調節ってむずかしいですか?」
立花さん「薪は最初の火付けをしっかりやるのがポイントですね。あとはこまめにお客さんをチェックしに行って薪を足してっていう感じですね。表情を見てもっと熱さ欲しそうな顔してるなって思ったら熱くしたり」
みさと「温度80度ちょいくらいに保ってますよね。モルジュって一気に120度とかまで上がると思うんですけど、上手に80度強くらいに保ってるのすごいなって思いました」
立花さん「ここは場所が開けているので、風のおかげっていうのもあります。チャックを開けると風が入ってきて空気が入れ替りやすいんです」
リョウコ「確かに、川とか湖とか海とかでテントサウナってしますけど、山の中腹でテントサウナってなかなかないですよね!?」
立花さん「椅子は置いてあるんですけど、芝生でゴロンと寝っ転がる人も多いですよ」
ちょっとそれやっちゃいましょう。もうサウナ入ります。
七時雨山荘 × MORZH SKY
七時雨山荘のモルジュスカイ、こちらです。そして横で薪を割り、火の加減をしてくれている助っ人の菅田さんがいます。菅田さん、侍みたいなんです。菅田さんはもともとここのお客さんで、この環境でテントサウナに入れるということに感銘を受けてヘルパーにきてくれている方。
サウナの中なんですけど、高い位置に座れるように工夫してあるんです。テントサウナってどうしても熱が上に籠るので足元の温度が低くなってしまって足が寒いことがあるんです。それを考慮してこの菅田侍さんが高い椅子を作ってくれたそうです。
余談なんですが、この時、立花さんがこの菅田さん制作の椅子をツイートしようとして間違えて「菅田将暉」をタグ付けしてました(笑)
まだ寒い時期だったので厚着をした登山客が「水着?」という顔でこちらを見ている中、水風呂へ!キンキンの8度(リョウコ・みさと調べ)。この水風呂、飲めるんです。岩手最大の川、北上川の源流の山水を使用しているそうです。オプションで七時雨山から湧き出す冷泉(8〜15度)の水風呂も利用可能ということです。なぜか2人とも共通して手を上げるスタイル。
ここから芝生タイム!サウナから出て芝生で寝るってないですよ。初めてです。ハイジの気分。でも水着です。
あの、みなさん、そろそろ「星を見ながらのサウナってのはどうなっとるんじゃい!」とお思いかと思います。実はここに到着したのは星空を狙った前日の夕方。ちょっと前日の夜に巻き戻しますね。
コラッー!雲!
そうなんです。曇っていたんです。着いてすぐに星空観察の準備をして、サウナを温めてもらって、しかも実はこの日、天文台の台長である吉田さんがわざわざ巨大な望遠鏡を3台も持ってきてくれたと言うのに、星……見られなかったんです。でも自然というのは思い通りにはならないものなんだって、改めて思いました。でも吉田天文台長は星は見えないながらも天体の話を色々してくださって、そのお話を楽しんだ夜になりました。
日々、家族や恋人、友人などいろんな人と接していて相手が自分が思ったようにしてくれないと落胆したり、イライラしたりすることってよくあると思うんです。それってアウトドアサウナに通じるなって思っていて、例えば大雨で中止になったり、こうして星を見にきたのに見られないことってやっぱり残念です。でも他人も天候も自然も自分の思い通りには動いてくれないことを、いい意味で諦めて受け入れるのって大事だと思うんです。テントサウナは臨機応変にその時、その環境を楽しむ心を育ててくれるいいツールかもしれないなって思いました。
ちなみになんですけど、我々が帰った翌日の夜の星空のお写真いただきました。こちらです。
悔しいですね〜!でも「また戻ってきたい!」という気持ちにさせてくれました。満天の星を見ながらサウナに入って吉田天文台長の解説聞くぞーって思いましたね。星が見える夜はどんな風なのか立花さんに聞いてみました。
立花さん「テントサウナの天井いっぱいに星が見えて、泣いてる人とかもいます」
リョウコ「わたしたちって運悪かったですか?」
立花さん「いや、実は星が見える晴れになる確率は気象庁の統計的には3割なんですよ。且つ雲ひとつない満天の星となると月に1回しか見えなかったりします。でも逆に言うとここはすごく天気が変わるので曇ってたとしても、急に晴れて星空が広がったりってこともあるんです」
みさと「もう一回来るしかないですね!」
立花さん、菅田さん、ありがとうございました!また絶対来ますね!今度は2泊して星空チャンスを狙います。
せっかく盛岡に来たので、帰り道に我々3人、人生初めてのわんこそばを食べました。小学校以来わんこそばを食べてないという立花さんも一緒に。「100杯食べるぞー!」なんて言ってましたけど、量よりもわんこそばのおいしさに感激!スピード度外視で、ゆっくり味わいながら食べて、わんこを注いでくれるおねえさんが笑ってました。
星降る夜のテントサウナ、そして地元のおいしい食事、このセットいいなぁって思いながら立花さんの言葉を思い出していました。
「サウナ好きな人たちがここのテントサウナのために岩手に遊びに来てくれて、併せて郷土料理も味わって、サウナから岩手を知ってもらえるきっかけになるなら僕はうれしいです」
おっしゃっていた通りのルート、楽しませていただきました。次回は、星、必ずや!
七時雨山荘
交通:JR花輪線 平舘駅から車で20分
営業:営業期間 : 5月〜11月初週(冬季間道路閉鎖のため)
料金:1枠10,000円〜(税込)同時利用4名まで
予約:https://nanashigure.iwate.jp/
※テントサウナ利用の際は1週間までにご予約ください
Profile
【岩田リョウコ】
兵庫県生まれ名古屋育ち。コロラド大学大学院で日本語教育学を学び2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中の2015年にアメリカで出版した『COFFEE GIVES ME SUPER POWERS 』は、Amazonランキング全米1位のベストセラーに。世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ好きが高じてフィンランド政府観局フィンランドサウナアンバサダーに任命される。著書に『週末フィンランド ちょっと疲れたら一番近いヨーロッパへ』(大和書房)、『HAVE A GOOD SAUNA! 休日ふらりとサウナ旅』(いろは出版)、『エンジョイ! クラフトビール 人生最高の一杯を求めて』(KADOKAWA)、『コーヒーがないといきていけない! 毎日がちょっとだけ変わる楽しみ方』(大和書房)がある。
【清水みさと】
女優。オーストラ・マコンドー所属劇団員。舞台、映画、ラジオなどで幅広く活躍する一方、1日に何度もサウナへ通う「サウナ大好き女優」としても知られる。規格外のサウナ偏愛ぶりは業界でも話題となり、TBS『世界ふしぎ発見!フィンランド、エストニア編』ではミステリーハンターに抜擢される。マイナス20度環境でも躊躇なく雪原に飛び込み、サウナショップでストーブを愛で回すマニアぶりは、SNSを中心に大きな話題となる。冠番組であるラジオ『サウナいこ?』(JFN12局)は、2021年6月現在で放送300回を突破。『サウナイキタイ』のポスターでモデルを務め、『マグ万平の のちほどサウナで』準レギュラーとして頻繁に登場することから、愛好家からは「サウナ界のミューズ」と慕われている。
『テントサウナで逢いましょう』、次回は東京のIT企業を訪ねます。お楽しみに!
文章:岩田リョウコ
モデル:清水みさと
写真:添田康平
編集:Sauna Camp.
岩田リョウコ&清水みさとの『テントサウナで逢いましょう』
vol.01 タザワコサウナ
https://saunacamp.net/magazine/tentsauna_trip_01/
vol.02 七時雨山荘
https://saunacamp.net/magazine/tentsauna_trip_02/