世界中のあらゆるテントサウナで遊んできたSauna Camp.が「世界最高のブランドだ!」と感じたロシア製テントサウナ「MORZH」。1人でも簡単に設営でき、あっという間に120℃に達する驚異的な性能で世界中にファンを増やしています。3層式で熱を逃さないテント、燃焼効率バツグンの高機能薪ストーブ、初めて出会った時の感動はいまでも忘れられません。その機能性に惚れ込み、Sauna Camp.は現在「MORZH」の国内正規代理店を務めています。MORZHの魅力、そしてタッグを組むに至った経緯をご紹介します。
「MORZH」というモンスターとの衝撃的な出会い
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ロシア製テントサウナ「MORZH」(モルジュ)は、5年前に誕生した比較的新しいテントサウナブランド。MORZHはロシア語で「セイウチ」を意味する言葉。ロシアでは真冬にサウナからの寒中水泳を楽しむ人々のことをセイウチと呼ぶことから、この名がつけられたといいます。
MORZH最大の特徴はテント生地の内部に断熱材が入った3層式構造と、サウナを熱くすることに特化した高性能薪ストーブ。春〜秋ならあっという間に120℃まで上がってしまう恐ろしいほどの機能性が魅力です。マイナス25℃にも達する厳しいロシアの冬でも楽しめるように「とにかく熱く!!!」というシンプルな信念で作られたテントサウナは、北米やドイツをはじめ、世界中で支持されています。
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Sauna Camp.がMORZHと出会ったのは2018年の10月。世界中のテントサウナを試してみたくて情報を集めていたところ、ロシアのアウトドアショップのオンラインストア担当者から「いま一番ヤバいのはMORZHだから買った方がいいぞ」と教えてもらいました。一緒にテントサウナを購入する予定だったサウナイキタイ開発者のかぼちゃ君が「おれそれにしようかな」となり、ひょんなことから日本に初上陸。初めて体験した日「とんでもないモンスターと出会ってしまった…テントサウナの概念そのものが変わる…!!」と興奮を抑えきれなかったのを覚えています。
その時はまさか、猛烈リコメンドしてきたオンラインストアの担当者がMORZHの社長だったとは夢にも思いませんでした。やたら推すからなんか変だと思ったんですよね…敏腕社長め。
まんまと虜になったぼくらは、仲間とのサウナキャンプやイベントにMORZHばかり使うようになりました。使うたびに新たな発見があり、どこまで考えられているんだ!?と感動の連続。すでにテントサウナを所有している仲間達からも「なんとか手に入れられないか」という相談が続々と寄せられました。そのくらい強烈なインパクトがあったんですね。
熱を逃さない3層式のテント生地
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MORZHの魅力を語る上で、真っ先に言及したいのは3層式のテント生地です。羽毛布団やダウンジャケットのようなキルティング仕上げになっており、内部に「シベリア」と呼ばれる断熱材が封入されています。一般的なキャンプ用のテントにはおよそ使われることのない素材だと思います。そんな生地でテントを作ったら、夏は地獄のように暑いですからね。
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断熱材入りの生地を使うというアイデアは「サウナ」にとっては効果テキメン。テント内部の熱を逃さず、同時に外気の影響を受けにくいメリットは凄まじいものがありました。
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テントサウナは外気の影響をモロに受けるため、真冬はなかなか温度が上がりませんでしたが、MORZHは外の冷たい空気をシャットアウトするため、オールシーズンで高温セッティングが可能。少し大げさですが「MORZHはテントサウナをより自由な存在にしてくれた」とさえ感じました。
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もちろん「熱いサウナ」=「良いサウナ」とは言い切れません。しかし、ことテントサウナに関しては、温度の上限は高いにこしたことはないと思います。熱さは薪の量やロウリュで調整できますが、温度の上限が低いと外気温によってはどうすることもできませんからね。
燃焼効率バツグンのサウナ用薪ストーブ
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MORZHのもう一つの魅力が、サウナ特化型高性能ストーブ。一見なんでもない薪ストーブにみえますが、使えば使うほど考え抜かれた構造になっていると感じます。ポイントが多いので機能ごとにご紹介します!
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【1.コンパクトな設計】
組み立て式の煙突やストーブの足は、全てストーブの内部に収納可能。テントとストーブのセットでこのサイズに収まります。テントサウナと聞くとかなり大きなものを想像する方もいますが、積載量の大きな車でなくても持ち運べます。
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【2.リアクションの良い燃焼室】
MORZHのストーブはよく「石が死なない」と言われます。たくさんロウリュしても、石が高温をキープしてくれるほど熱効率が良いんですね。空気の流れを非常にスムーズに取り込む構造になっているので、あまり手間をかけなくてもどんどん燃えてくれます。ストーブによっては火吹き棒を片手に常に薪をチェックしなければならないものもありますが、MORZHのストーブは初心者でも簡単に扱えます。
さらにポイントとして挙げたいのが、驚異的なリアクションの良さ。薪を投入してからサウナ室内の温度が上がるまでの時間がとにかく早いんです。これは経験者ならではの感想かもしれませんが「ちょっと温度が下がってきたな」と思って薪を入れるとすぐに温度が上昇します。素晴らしい。
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【3.対流を発生させるサイドパネル】
使用時にサイドに付いているパネルを引き出して使う設計になっていますが、これ本当によく考えられています。サイドパネルを引き出すと、足元にある冷たい空気は温められながら天井へ流れます。すると天井から壁を伝って熱い空気は身体に届き「対流熱」の恩恵を得ることができます。壁からの輻射熱がないテントサウナの弱点をカバーしてくれる構造です。対流はロウリュにも効果的で、熱い蒸気が身体へ降り注ぎ、しっかりと熱を感じることができます。さらにサイドパネルは重大なヤケド防止の役割や、運搬時に変形してしまうリスクの軽減にも役立っています。まさに一挙三得の構造!!
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【4.雨の侵入、火の粉を防ぐ2気室構造】
ストーブ内部にも工夫がなされています。40cmの薪も問題なく使用できるストーブの内部は、実は2つの部屋に別れています。手前の部屋で薪が燃焼して発生した煙は、奥の部屋に逃げる構造になっていて、そこから煙突を伝って排煙されます。つまり、雨が煙突から入っても手前の燃焼している部屋には入らず、奥の部屋に入るという設計。雨で火が弱まる心配がないんですね。
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さらに素晴らしいのが、火の粉が煙突から上がらないこと。煙突と燃焼室が直結しているストーブは、しばしば煙突から火の粉が上がってテントの天井に穴があきますが、MORZHのストーブにはその心配がありません。これまた一挙両得の構造!本当によく考えられています!!
ユーザーフレンドリーな設計
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MORZHはサウナの機能性に優れているだけでなく、ユーザーフレンドリーな設計になっているところも魅力です。とにかく使ってみて初めてきづく「わかってるね!!!」という配慮にあふれています。
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まず挙げたいのはフレームをテント内部に固定する構造。ポール2本を組み立ててジッパーでテント内部に組み込むだけなので、初心者でも簡単に設営できます。この構造、実はヤケド防止対策という側面をもっています。テント内が高温になるとポールも熱くなってしまい、触ると軽いヤケドをする恐れがありますが、MORZHにはその心配がありません。
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ほかにも安全対策として、テント内の煙突穴付近にガラス繊維を採用しています。煙突穴付近は強風などで接触する危険性が一番高い箇所。ここまで大きなガラス繊維で対策しているのはMORZHだけでした。また、ストーブ裏には吸気のメッシュ窓がついており、酸素不足、不完全燃焼による一酸化炭素の発生を防ぐ配慮がなされており、安全性への意識の高さが伺えます。
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細かいポイントですが、個人的にグッときたのは内部のサイドポケット。アロマオイルやタオル、チャッカマンなど、ちょっとしたものを入れておくのに重宝します。また、天井にはメッシュポケットを付けることができ、温度計やサウナハットの置き場としても便利。MORZHの社長はもともとテントサウナ愛好家で「俺だったらこうするのになぁ」というユーザー目線のアイデアを全てMORZHに採用したとのこと。開発者がユーザー出身だからこそ、細やかな配慮が満載なんですね。
Sauna Camp.が国内代理店になるまで
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これまでMORZHの魅力をご紹介してきましたが、本題はやっとここからです。ぼくらSauna Camp.がMORZHと本格的にタッグを組んだのは、2019年春に行われた「NF × Sauna Camp. in 森、道、市場2019」でした。NFはアーティスト「サカナクション」が主宰するカルチャープログラム。かつてない大きなプロジェクトへの挑戦、ぼくらの中ではMORZH以外の選択肢は考えられませんでした。
「BLACKモデルを特注オーダーしたい」
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当時MORZHはカモフラージュ、赤青のバイカラー、ロシア国旗のトリコロールの3色展開でした。サカナクション、NFのキーカラーはモノトーンだったので「ブラックがあれば最高なのにな…」と考え、ダメ元でメーカーに交渉しました。拙い英語で森、道、市場がどんなイベントで、サカナクションがどんなアーティストで、日本でサウナがどれだけムーブメントになっているか、懸命に伝えた上で「ブラックモデルを作ってくれないか」と交渉しました。
MORZHの答えは「OK, We will try」でした。
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さらにMORZHの社長は「日本にそんな熱狂的なファンがいると思わなかったし、フェスティバルに10台もMORZHが並ぶなんてロシアでも聞いたことがない。遊びに行っていいか?」と言ってくれて、もちろん大歓迎だと招き入れました。
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日本から遥か6,200km離れたエカテリンブルクから来てくれたCEOのマイク。知り合ってから毎日のようにメールやチャットでやりとりしてきたけど、まさかこんなに早く日本で会うとは思っていませんでした。直接会えた嬉しさも去ることながら、MORZHを愛用するユーザーとして「ここはどうしてダブルジップにしたの?」「マジックテープの留め方ってこれであってる?」みたいな細かい話も出来て嬉しかったです。
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森、道、市場の3日間は本当に素晴らしい時間となり、多くのお客さんが最高の笑顔を見せてくれました。マイクもお客さんと一緒にMORZHに入って楽しんでいて、どこか誇らしげな表情をしていたのを覚えています。日本のサウナシーンの盛り上がりを肌で感じ、MORZHを最高だと口々に叫ぶ人々と交流して、可能性を感じてくれたようでした。2日目の昼、ふとマイクに呼びとめられ、ぼくらはこう言われました。
「君たちがMORZHの日本代理店をやるんだ」と。
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テントサウナの情報発信を続けるうちに「いいモノがあったら販売もしたい」と考えていたぼくらにとって、これ以上ないパートナーの登場でした。森、道、市場を終えて東京に戻ったぼくらは、マイクをサウナに誘いました。
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サウナ室でたわいもない話をした後、食事しながら作戦会議をしました。日本のアウトドアサウナシーンの現状について話し、課題を認識してもらう必要があったのです。シーンもユーザーも成熟しているロシアと違い、まだまだユーザーの少ない日本では知識の啓蒙や安全対策の徹底が不可欠。ロシアの事情もヒアリングしながら、MORZHを安全に楽しんでもらうための作戦を練りました。
去り際にマイクは「一緒に頑張ろう、近いうちにエカテリンブルクにも遊びにおいで、地元のバーニャ(サウナ)を案内するよ」と言い残し、ロシアへ帰って行きました。世界で一番好きなテントサウナブランドの日本代理店になれたことは本当に嬉しく、その日のサウナは特別な高揚感をはらんでいました。
改めまして「MORZH」スタートします!
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僕らがSNSや記事でMORZHの取り扱いを宣言しなかったのには、理由がありました。日本語版のマニュアル作成、製品特製の把握、注意事項の再検討などに時間を要していました。直接体験した人にはそれを説明できたので、イベントではパネルなどで少し宣伝をしていました。2019年末にやっときちんとした準備がととのい、この記事を書くことに決めました。
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ここまで説明してきたように、MORZHは本当に素晴らしいブランドです。ただ、海外製品につきものの「日本製ならここもうちょっとしっかりしてるかな」という点もままあります。ぼくらも出来るだけ。改善してほしい点は彼らに伝えています。金属製のジップは熱くなるから必ずテープをつけてほしいなどの要望を、MORZHはすぐに取り入れてくれました。
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MORZHのCEOマイクもぼくらも、お互いテントサウナユーザー出身という点で通ずるところは多く、フラットな関係で日々「こんな製品はどうかな」という会話を毎日のようにオンラインでしています。メーカーと代理店という立場ではありますが「いいテントサウナを作りたい」という想いは一つだろうと確信しています。
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課題もたくさんありますが、それ以上にやってみたいことがたくさんあります。ぼくらとマイクがこれからどんなテントサウナ を作っていくか、日本でテントサウナシーンをどう盛り上げていくか、楽しみにしていてください!
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ぼくらが世界最高だと確信しているテントサウナ 「MORZH」、どうぞよろしくお願いします!!
Text:大西洋