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NF × Sauna Camp. 「音楽とサウナの融合体験」Part.2

NF×Sauna Camp. in 森、道、市場2019、Part.1ではコンセプトをご紹介しました。今回は当日のレポートをお届け。「NF」とのコラボレーションによって実現した「サウナと音楽の融合体験」。フェスとサウナという新しい挑戦が、どんな空間を作り上げていたのかを語ります。

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晴天に恵まれ、迎えた初日

NF×Sauna Camp. in 森、道、市場2019が決定して以来「音楽を目当てに来るお客さんに、サウナを楽しんでもらう」という課題と向き合い続けてきました。テントサウナの良さは体験してもらえればきっと伝わるけど、そこには無数のハードルがある。考えうる限りの準備をして、告知にも力を入れてきました。でも、当日を迎えるまで、サウナがガラガラになる不安は拭い去れませんでました。

しかしフタを開けてみたら大人気!オープン前から行列ができ「今年の森、道、市場はこれを楽しみに来た!」「3日間ここに通うつもり」なんて声も聞こえてきました。嬉しくて叫び出しそうでしたよ!

続々とお客さんがサウナに入っていき、あっという間にサウナは満員状態。一番人気は北海道産のフレッシュヴィヒタ。葉の柔らかいフレッシュヴィヒタが取れるのはこの時期だけなので、初めて体験した人も多かったはず。アロマは男女で好みに差が出ましたね。男性にはスモークサウナなど渋めの香り、女性にはローズマリーはちみつレモンなどが人気でした。

女性のお客さん、想像以上にたくさんいらっしゃいました。みんなアロマの香りを真剣に吟味していましたね。日中はわいわい会話を楽しみながら、アクティブにサウナを楽しむ方が多かった印象です。

友達同士で入るのはもちろん、偶然居合わせた人たちと仲良くなるのもテントサウナの醍醐味。SNSでも見かけましたが「一緒になった人たちと話すの楽しかった!」という声は本当によく聞こえてきました。森、道、市場にきて、ステージも市場も置き去りにしてサウナに入っている。そんな非日常を共有する同士って、そりゃ仲良くなりますよね。男女の楽しそうな声が聞こえてきて、正直うらやましかったです!

サウナーキッズも来場!

今回は利用に年齢制限をつけなかったのですが、嬉しいことにサウナーキッズも多数来場してくれました!スタッフが丁寧にサウナの入り方を教えると、みんな実践してくれていました。素晴らしいぞー!

サウナーキッズ達は、いたく気に入ってくれたようで「もう一回入っていいですか!」と何回もサウナと水風呂を往復してくれました。ちなみにフィンランドでは生後半年からサウナに入るそうです。サウナは大人だけのモノっていうのは、勝手な思い込みなのかもしれませんね。

ご覧の通り、見事なととのいっぷり!みているこっちまで嬉しくなります。彼らの他にもサウナーのお父さんお母さんに連れられて、見事な英才教育を受けた子たちもいました。キッズが多かったのは嬉しい誤算でした。

企画の段階でぼくらの中には「男女で区別をつけたくない」「年齢制限をかけたくない」というものがありました。サウナは正しい知識さえあれば、みんなが楽しめるもの。同じ空間を、居合わせた人々で共有してほしい。そんな判断が間違っていなかったのかなと思えた光景に、思わず笑みがこぼれました。

夕暮れからは幻想的な雰囲気に

日が暮れはじめ、プールがライトアップされると、徐々に幻想的な雰囲気に。ライトアップされたプールを眺めながらサウナに入る頃、あたりにはサカナクション岩寺さん、江島さんが今回のために制作した、サウナ専用のオリジナル音源が流れはじめました。

アンビエントな雰囲気の音に、生命の力強さを感じさせるビート、そして恍惚感をともなった展開。昼のパーティ的な雰囲気から一変して、最高のチルアウト空間が広がります。

アロマの香りと熱に包まれ、青く光るプールでクールダウンする。ふわふわ浮かびながら頭をプールへ浸けると、あたりの音が消え、ディスコステージの重低音だけが身体に響く。まるっきり初めての身体経験に、感じたことのない興奮と恍惚が押し寄せる。まるで宇宙にいるような幻想的な空気感。「サウナのイメージ自体が変わってしまった」と熱っぽく語るお客さん。実は同じ感動を、ぼくらも感じていました。

プールの温度はサウナフリークが満足するキンキンの温度ではありませんでした。それでも、恐ろしいほどのディープリラックスを体験した人がほとんどだったのではないでしょうか。

光、音、香り、会話。様々なファクターが、サウナ体験を変えていく。サウナはセッティングだけが全てじゃない。五感全てで楽しむものなんだと思う。

街のサウナだけでは想像しなかった、知りえなかったサウナの魅力が、まだまだあるのかもしれない。そんなことを感じさせてくれる時間だったと思います。

音楽はサウナをどう変えていくか

金曜日の夜、ディスコステージは大トリ、山口一郎さんのDJで最高潮を迎えていました。フィナーレにぼくらもステージにあげて頂き、NF×Sauna Camp.の成功をメンバーのみなさんと祝い合いました。

ステージの上で踊りながら聴いた「シャングリラ」「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」は一生忘れられないと思います。サウナが縁となって岩寺さんと出会い、すごいところまで来てしまったなぁと胸が熱くならざるを得ませんでした。

このステージに立てたことはもちろん物凄く光栄なことなのですが、ぼくらの胸に込み上げていた一番大きなものは、達成感や満足感とは少し違うものでした。

この日Sauna Camp.はステージに上がらせてもらったけど、それは正確な事実じゃない。正確には「サウナという文化」そのものが、この日、華やかなステージに上がったんだと思う。そのことへの嬉しさで胸がいっぱいでした。

「サウナ、最高に楽しい、もっと知りたい」。そんな感情をみんなが抱くほどのグルーヴ感が、この日のNF×Sauna Camp.にはあった。ステージに上がったのは、サウナという文化なんだ!眩しい景色を前に身体を揺らしながら、そんなことを考えていました。

サウナの歴史を、少しだけ前へ

金曜日のステージ終わりの夜、誰もいなくなったプールサイドで、少しだけアフターパーティをしました。演奏を終えた岩寺さんが遊びに来てくれて、一緒にテントサウナを満喫。NF×Sauna Camp.の感想を語り合いました。そこで話題に登ったツイートがあります。


このツイートを見ながら「NF×Sauna Camp.がきっかけになって、音楽のある場でサウナ楽しむ文化が広まってくれたら嬉しいね」と、岩寺さんと語りました。文化としての広がりをみせるきっかけになったらいいなという想いは、NFチームもぼくらも一貫して同じでした。SNSでは他にもいくつか「ターニングポイントになると思う」と言っていただいているのを目にしました。嬉しい限りです。

森、道、市場に来たお客さんのうち、700人以上がサウナを満喫した。音楽とサウナ、最高だったよと言ってもらえた。改めて、すごいことだなぁと思います。大げさに言えば、歴史が少しだけ動いたのかもしれない。そんな高揚感を会場のお客さんと同様に、ぼくらも感じていました。

最後にひとつだけ

10台のテントサウナの管理、受付、物販などをしてくれたSauna Camp.スタッフは総勢45名。木曜日には大量の物資搬入から深夜まで設営。開催日は昼12時から夜10時まで10時間を交代で運営。薪をくべたり入場管理したりはもちろんのこと、お客さんにサウナの入り方や魅力を解説したり、楽しんでもらえる工夫を動きながら実践してくれました。

実はスタッフは全員、ほぼボランティアなんです。サウナが好きで、テントサウナを一緒に楽しんできた仲間たちが「手伝ってもいいよ」と力を貸してくれました。愛車にタオル1,600枚乗せて現地へ来てくれたり、ほとんど赤字で製作物を用意してくれたり、各々の専門知識を活かして安全管理に努めてくれたり、そもそもみんな仕事休んできてくれてたり…。

「サウナが好き、サウナの良さを知ってほしい」。そんな情熱を持った仲間たちがいなかったら、NF×Sauna Camp.は全く違う空間になっていたと思います。この場を借りて、スタッフのみんなへ感謝を伝えたいと思います。本当にありがとう!

またどこかのテントサウナで!

改めまして、NF×Sauna Camp. in 森、道、市場2019、ご来場いただきありがとうございました!ぼくらにとっても素晴らしい時間となりました!みなさんと一緒にテントサウナできて本当に楽しかったです!

この企画に誘っていただいたサカナクション岩寺さんをはじめ、NFのみなさん、森、道、市場、会場のラグナシア、協賛・協力企業のみなさん、すべての関係者の方々に感謝がつきません!またいつか、こんな機会がきたらいいなぁと思っています。サウナをガンガン暖めて、またみなさまをお待ちしたいと思います。

それではまた、どこかのテントサウナで!

▷NF × Sauna Camp. スペシャルムービー

Text:Sauna Camp. 大西 洋
Photo:Sauna Camp. 添田 康平