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テントサウナと公衆浴場法について、何が問題になってるのかまとめてみた

2024年1月19日、SaunaCamp.は一般社団法人アウトドアサウナ協会の一員として、山梨県の厚生労働省への提案・要望提出に同行してきました。厚生労働副大臣に現状と課題についてお話し、規制の見直しについて意見交換しました。

そもそも、なぜ公衆浴場法が問題になっているの?アウトドアサウナとどういう関係があるの?SaunaCamp.はなぜそんなに熱心に取り組んでいるの?と、事情をよくご存知ない方も多いと思います。今回は、ルールの見直しと新しい基準の策定が、アウトドアサウナの発展にとても重要である理由をインタビュー形式で解説していきます。

スーパー銭湯と同じ基準が適用されてしまう

(兼康)
テントサウナをビジネスで活用するとき、場合によっては行政の許可が必要ってことは知ってる。でも、ノールールって訳にはいかないんだし、やっぱり基準は必要なんじゃないの?

(大西)
もちろんその通りなんだけど、テントサウナはまだ新しい文化で、従来の法律が全く想定していないので、チグハグな部分が多くて各地域で課題になってるのよ。テントサウナは公衆浴場法の規定する「その他の公衆浴場」っていうカテゴリに分類されるんだけど、それはつまりスーパー銭湯とかと同じ扱いってことになる。

(兼康)
もしテントサウナを業としてやるぞーってなったら、キャンプ場とか河原に、スーパー銭湯レベルの設備を入れないといけないってこと?

(大西)
ざっくり言えばそういうこと。ちょっとしたテントサウナイベントを企画しようにも、温浴施設をつくるのと同じ設備要件をクリアして、認可を取らないといけないから、めっちゃ大変なのよ。

水着を着用でも、周囲から見えないようにエリアごと目隠しする壁が必要

(大西)
公衆浴場法って地域によってルールが異なるので一概には言えないんだけど、特にみんなが困ってる問題は「目隠し」要件だね。露天風呂と一緒の扱いになるから、周囲から見えないように目隠しの壁を作らないといけないという…。

(兼康)
裸じゃなくて水着を着てても、壁で目隠し?

(大西)
イェス、目隠し。富士山が目の前に見えてても、絶景の湖畔でも、目隠し。

(兼康)
それはキツいね…。テントサウナは新しい観光資源としても注目されてるのに、絶景を封じられたら良さが半減してしまう。

(大西)
もっといえばプールサイドだったら、それまで水着でみんな楽しんでたのに、テントサウナを置いた瞬間、なぜか目隠しが必要になってしまう。

(兼康)
もはやトンチの世界だ…。

(大西)
さらに1日とか2日のイベントでも、常設の施設でも基準は同じ。週末のイベントで目隠しの壁を作って、その中に設備(更衣室・シャワー・ロッカー・下足入れ・トイレ・排水設備など)を作るのが必須となったら、なかなか採算を取るのが難しくなる。

(兼康)
頑張っても利益が出ないんじゃ、イベントも楽しめる場所も増えていかないね。確かにこれはなんとかしてほしい…。せっかく盛り上がってるのにもったいなさすぎる。

(大西)
今回の山梨県の要望は、目隠しの緩和要望がメインだね。行政との話し合いでクリアにしてる事例もあるけど、全国的にはまだまだ必要な地域の方が多い。

テントサウナの排水設備、どこまで必要なのか疑問も

(大西)
一部地域では排水設備の要件も課題になってる。テントサウナの床には耐水性の素材を用いて、勾配をつけ、パイプをつなぐなどして下水まで引っ張らなければならないという点。

(兼康)
え?テントサウナに床と排水設備?なんで必要なの?

(大西)
施設のサウナを想定して作られてるルールだからね。本来は掃除がしやすく、水が溜まらないようにという、衛生を保つのが目的だと思うのよ。

(兼康)
たとえば山の中にあるキャンプ場にテントサウナを建てたとして、床つけて勾配をつけて下水までひくっていうのは現実的じゃないというか…労力に対して得られるリターンが見合ってない感じがするな。「これ意味ある?本当に必要?」って思っちゃう。シャワーや水風呂には排水設備が必要かなと思うけど、テントサウナの中ってほぼ水を使わないし。

(大西)
ぶっちゃけ、保健所の人も思ってるはず。「これ、必要なのかなぁ…」って。でも、根拠がないと勝手に判断はできないから、根拠を探してくれるんだけど、公衆浴場法しかない。やっぱり新しい基準が必要なのかなと思う。

新しい基準を作る動きは着実に進んでいる

(兼康)
SaunaCamp.にもたくさん相談がくるよね、どうしたらいいでしょうかという。

(大西)
テントサウナを想定していない公衆浴場法に無理やり当てはめてるから、地域や担当者によっても指導がバラバラで、みんな苦労してるよね。場合によっては保健所や消防など行政サイドからうちに相談が来ることもある。認可してほしい事業者も、認可を出す行政も、どっちも困ってるという。

(兼康)
テントサウナだけじゃなく、バレルサウナとかも含めた「アウトドアサウナ」がここまで人気になると、やっぱり社会課題化するよね。

(大西)
みんなで考える問題だよね。2022年12月にメトスさん、ファイヤーサイドさんと共に一般社団法人アウトドアサウナ協会を立ち上げて「10年以内くらいに解決できたらいいな」と思ってたけど、思ったより課題解決に向けての社会のレスポンスが早い。

(兼康)
国会議員さんたちが超党派サウナ議連を発足させたのも、同じくらいの時期だったね。

(大西)
2023年末から2024年初にかけても、山梨や長野の知事が課題として認識していることを声明したり。早すぎてびっくりしてる(笑)

(兼康)
それだけ社会的な注目度と需要が高いってことなんだ。

(大西)
消防庁も2024年度、テントサウナの安全基準を策定するための予算を計上してくれている。きっと近い将来にクリアになっていくと思うね。議論しなければならないポイントもあるし、実地試験も必要だから、それなりに時間はかかるだろうけど。

【参考・共同通信】
テント式サウナに安全基準策定へ 消防庁、屋内前提の規制緩和検討

(兼康)
まとめると、SaunaCamp.はキャンプ場、宿泊施設、イベント、いろんなシーンでテントサウナを活用してもらえて、街中にたくさんサウナがある未来を目指して行きたい。一方でユーザーが安全・安心に楽しめるように、ノールールではなくて順当な基準は必要とも考えている。そのために頑張っているんですよ、ってことかな。

(大西)
そういうこと!みんなでテントサウナの未来を作って行きましょう!

注1:
今回の内容は、あくまで業として公衆浴場の営業を行う時の場合です。個人で利用する場合はもちろん、サービス形式によってはこの限りではありませんのでご了承ください。

注2:
内容は2024年2月時点でのものです。