サカナクション × Sauna Camp.
「サウナ」でコラボレーションするまでの経緯

サカナクションが主宰するカルチャープログラム「NF」。森、道、市場2019内で行われるNFになぜSauna Camp.が登場するのか。少しだけ経緯を説明しておきたくてこの記事を書きました。「サウナって最近よく聞くけど、何が魅力なのかわからない」と感じる人も多いと思います。でも「NFとのコラボなら少し興味あるな」という人はきっといるはず。“NF × Sauna Camp.”という場が、サウナという文化との良い出会いになってくれたらと、心から願っています。

 

はじめまして Sauna Camp.です

この記事を読んでいる方の多くは、ぼくらのことを知らないと思いますので、簡単に自己紹介を。サウナキャンプは「テントサウナ」という移動式のサウナを使って遊んでいるユニットです。湖や川の側にテントを張り、中に薪ストーブを組み込み、サウナストーンを乗せ、あらゆるフィールドに「サウナ」を持ち込んでいます。気候条件にもよりますが、100℃くらいまであがる本格的なサウナです。熱されたサウナストーンにアロマ水をかけると、良い香りが全身を包みます。熱い蒸気で体感温度は急上昇、身体が芯から温まります。しっかり汗をかいたら湖や川へ飛び込んでクールダウン。水からあがったら、森の風にふかれてリラックス。サウナー用語でいう「ととのう」感覚をゆったりと楽しみます。

 

サウナがつないでくれた縁

サウナから天然の水風呂にダイブする気持ちよさは、一度体験するとやみつきになる

ぼくらはほぼ毎日サウナに通い、いつもサウナのことばかり考えている、いわゆる“サウナー”です。TwitterやInstagramでサウナ仲間と「あそこのサウナがよかった」「ここのセッティングが変わった」「新しい入り方を実験してみた」なんて話ばかりしています。

「ととのう」という感覚は、サウナの大きな魅力。瞑想、癒し、覚醒、すべての感覚が同時に身体を包む。

2017年の春ごろ、インスタでサカナクションの岩寺基晴さんがサウナについて投稿しているのを目にしました。投稿一覧を見ると、ライブ終わりに訪問したサウナの感想がずらり。岩寺さんは寄せられた「サウナ苦手なんです」というコメントに「水風呂の気持ちよさを知ってほしい」と答え、「何分入ればいいんですか?」の質問には「サウナ室のコンディションで変わりますよ」と丁寧に丁寧に書かれていました。

一瞬で「あ、めちゃくちゃサウナ好きなひとだ」と感じました。本当に好きかどうかって、同じ趣味の人はわかりますから。

嬉しくなってコメントを書いたところ、ご返信をいただき、そこからときどきサウナの話をさせていただくようになりました。ほどなくして、どうやらお互いが理想とするサウナ像がかなり近いということがわかってきました。サウナの中でどんな音が鳴っていてほしいか、熱さや広さはどうか、水風呂までの導線はどの店が理想か…。ほかにも海外のサウナ文化や、地方で発掘した穴場情報など、とにかくずーっと話がつきませんでした。1年くらいひたすらオンラインでサウナの話を続けたと思います。

あまりにも話がつきないので、サウナに行って話そう!となりお会いさせて頂きましたが、やっぱり話すことはサウナのことばかり。さらに山口一郎さん、江島啓一さんもかなりのサウナフリークと判明し「いつか一緒にアウトドアサウナできたらいいですね」なんて話を、館内着姿でさせていただきました。

 

NFという実験場で「音楽×サウナ」の可能性を考える

館山のビーチで行われている音楽とアートのフェス「ZIPANG」出展時の写真。延べ100名以上がサウナを楽しんだ。

2018年夏、ぼくらはZIPANGという野外音楽イベントに出展しました。正直、音楽フェスでサウナに入る人って、どのくらいいるのか想像もつきませんでした。でも、フタを開けたら凄まじい人気。踊りつかれた人たちが、サウナと水風呂でリフレッシュしてめちゃめちゃ元気になり、またフロアに戻っていく。口コミでサウナを知った人が集まってきて、どんどん広がっていく。その場で居合わせた人たちの間に、いつのまにか会話がうまれていく。最高に幸せな空間が広がっていました。 

ステージで鳴っている音楽によってサウナの中の空気感が変わることは、ぼくらにとっても発見でした。セレクトされる音がチル系なのか、アッパー系なのかで、まったく別の雰囲気になっていく。サウナ好きの間では温度や湿度については議論されますが、音に関して語られることはほとんどありませんでした。しかし、体験した人はきっと気づいたはずです。なんて魅力的な変数なんだと。

そして2018年末、本格的にNFのコラボレーション相手にサウナを考えているという話が持ち上がりました。さっそく岩寺さんとサウナでお会いして提案書を作り、幾度かの打ち合わせを経てSauna Camp.とのコラボが決定しました。

「音楽×サウナ」の可能性を、NFで一層深く探ることができるというのは、ぼくらにとってもものすごく楽しみなことです。「NF #12 -Sauna Camp.-」in 森、道、市場 2019 でどんなサウナ体験ができるのか、ぼくたちはNFチームと一緒に構想を練っています。素晴らしいものになるようにしたいと思いますので、続報をお待ちいただけたら嬉しいです。

 

サウナという究極のソーシャル空間

男女で一緒に入れるのもテントサウナの魅力。肩書がなくなり、フラットな対話が生まれる

ぼくらはサウナを、究極のソーシャル空間だと思っています。服と一緒に肩書を脱ぎ捨て、居合わせた人々がフラットな関係で空間を共有する。もっといえば、ケンカしようにもどうやっても丸腰。サウナという非武装空間では、お互いうまくやるしかないんです。だから、たまたま居合わせただけの人とも不思議と仲良くなる。共通の友人がいるわけでもなく、業界が近いわけでもないぼくらとサカナクションのみなさんが出会ってコラボレーションすることになったのも「サウナ」という要素が大きい気がしています。NFのサウナにはきっと、心地よい偶然が満ちると予感しています。

 

「サウナも音楽も、目に見えないものを楽しんでいる」

プロジェクトを通じて山口一郎さんと一緒にサウナに入ってお話した中で、印象に残った言葉が「サウナも音楽も、目に見えないものを楽しんでいる」でした。

サウナフリークとしての考えですが、サウナの良さは入ってみなければ絶対にわからないと思います。身体を包む熱、蒸気、香り。そこから解放され、キリッと冷えた水に浮かんでいるときの恍惚感。そして休憩しながら風に吹かれているときのディープリラックス。世界がまわるほどの気持ちよさ。いわゆる「ととのう」感覚。それらは共通項がありつつも、すべての人で体験している世界が異なります。圧倒的に「個の体験」が重要な文化なんですね。

最近、サウナがちょっとしたブームになっています。貢献しているのは「ととのう」という共通言語であり、体感するのが正解という風に考えられています。この言葉のおかげでサウナは我慢する場所という誤った認識が正されたのは非常に大きなことだと思います。でも、「ととのう」だけがサウナの魅力のすべてではありません。

どんな風に楽しむのが正解かなんて、それぞれ感じている世界が違うんだから、絶対のモノはないんです。他人の感覚をアテにするものではないし、日々のなかで揺蕩うものでもあります。簡単に定義してしまうと、状態に囚われることにもなります。感じたことが全てです。どうぞ自分の感覚だけを頼りに、会場でサウナの楽しさを探ってみてください。

冒頭でも触れましたが「音も香りも熱も、目に見えないという点では似ている」という言葉に、ぼくらは音楽とサウナ両方への深い探究心を感じました。映像や写真や文章だけでは理解できない、五感どころか六感も七感もフル動員して得る体験。それは音楽ライブにも通じることなのかなと思います。少しおおげさかもしれませんが、サウナ×音楽にはまだ未知の体験があると思っています。サウナフリークのみなさんにも、それを確かめにきて欲しいと願っています。

少し長くなってしまいました、お付き合いいただきありがとうございます。どうしてもサウナーのみなさんに「サカナクションというサウナを愛してやまないアーティストがいて、本気でサウナのまだ見ぬ未来を考えている」ということを伝えたかった。サカナクション、NFのファンのみなさんに「サウナという奥深い世界に触れてほしい」とどうしても叫びたくて、この記事を書かせていただきました。

サカナクション、NFが大好きなみなさん、サウナを愛してやまないみなさん、どんな方もお待ちしています。NF×Sauna Camp. が最高の空間になりますように!

Sauna Camp. 代表 大西 洋

 

●NF公式サイト
https://nf.sakanaction.jp/

 

 

●森、道、市場2019 オフィシャルサイト

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